パキシルの副作用、殊に服用中止時の離脱症状の激しさは、他のSSRIと 較べても有意に強いと言われています。パキシルの半減期は約15時間で 類似薬のジェイゾロフトと較べると短く、プロザックのように分解されても 効果の続く活性代謝物を持たず、また前述の通り自身の分解を自身で防ぐ 薬なので、服用をやめると血中濃度は一気に下がります。この極端な 濃度減少がシナプス間隙のセロトニン量の急速な減少を引き起こすため、 頭痛・めまい・倦怠感・知覚異常などのセロトニン系副作用が発生しやすい のです。とりわけ知覚異常は特徴的な副作用で、頭を振った際に出る 金属音のような耳鳴りと、感電したときのようなしびれが出るため、 俗に「シャンビリ」と呼ばれて恐れられています。
シャンビリは断薬が急すぎる、ハードランディングな中断が主な原因と 言われていますが、パキシルは長らく10mg・20mgの2種類しか剤型が無く、 ソフトランディングが難しい薬でした。半分に分割しようにもパキシルには 割線が入っておらず、キレイに半分に割るには非常に難しい形をしています。 グラクソはこの問題を10年間放置していましたが、あまりに苦情が多かった ためか、2010年9月になってようやく5mg錠を発売しました。この剤型は 世界中でも日本唯一のもので、未だパキシル特許の切れていない日本だから こそコストをかけるに値した、と判断したのでしょう。そろそろ特許が 切れそうだし、新規抗うつ薬の競合品が揃ってきたから切り替えられない ために作りました、という考えが見え透いています。グラクソのこの 計算高い商売戦略は、さすが外資と言わざるを得ません。商品開発力は 非常に高いメーカーですが、イマイチ私はこの会社を信用できないです(笑